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2011年12月11日 (日)

残ったギター

ギター、エフェクター、ギターアンプ、録音機材、CDを処分した。

最低限必要なものだけを残し、中古楽器の買い取り業者とCDショップに出してしまった。

以前から、「(ギターを)ちゃんと触ってやれるのは2~3本ぐらいだな」と思っていたのだが、実際には一番多い時で、兄貴のを引き取った分を含め、16本あった。兄貴のギターは、兄貴の友人に貰っていただいたり、僕の分でもギターを始めるという友達にあげたりしたが、2本のベースを含め12本残っていた。

今回ギター6本、エフェクター20台、録音機材8点、ギターアンプ2台、CDは約400枚処分した。

最後に残ったのはこの5本とエフェクターが少し。CDは大分残ってしまった。

Remains

そのまま持っていても本当は特に問題はなかったのかもしれない。どれをとっても大切で大好きな音のするギターだった。手放すのは断腸の思いでもある。でもどうしても「本当に必要なもの」にだけ絞り込む必要性が僕の内にあった。

震災から数か月。何かをしなければならなかったし、何かを変える必要があった。でも何もできていなかった。地震、津波、原発事故で被害にあわれた方々に対する支援。そして「贅沢」を排除し、必要なものをだけで生きていく、というのが大きなテーマ。

  「贅沢」:自分にとって必要のないものや、無駄なことにたくさんお金を使ったり、使いきれないものをたくさん所有したり、本来それが持っている機能以上に貨幣価値の高いものを所有したり、「生きる」ことに必要な分量と質を超えた余剰な消費活動したりすること。

我々の「贅沢」が「人間としての豊かな暮らし」とすり替えられ、利便性、合理性が追求され大量消費構造を生みだす。我々が「豊かな暮らし」を目指せば目指すほど、そこでは必要以上の電気エネルギーが生み出される。そのエネルギーが本当に必要だと思いこまさせる。そしてその大半は都市部で集中的に消費される。でも電気エネルギーの生産拠点は地方に置かれている。「安全だから大丈夫」と思い込まされて、都心部から離れた場所に原子力発電所が設置される。

福島原発で作られたエネルギーのほとんどは、我々都市部の人間が「贅沢」を享受するため、都心部で必要以上に消費するためにあったのだ。我々の電気の無駄遣いの為に福島の人々が、事故が起きるまでは想像すらできないほどの大きなリスクを持たされていたのだ。避難生活を余儀なくされている人々、放射能の恐怖におびえながら生きている人々、仕事を失ってしまった人々、農産物を丹精込めて一生懸命作ったとしても売ることができない人々、そんな方々がたくさんいるのだ。それもこれも僕のせいなのだ。自分個人の責任としてとらえないといけないはずだ。

「彼らの痛み苦しみは僕のせいなのだ!」

そう思おう、そう感じよう、そう考えよう。この考え方は山口洋氏の受け売りではあるけれど、そうしなければいけないと思っている。、

しかしこれを日々の日常生活の中で行うのはとても難しい作業なのである。ついうっかり忘れてしまうし、元の意識のままに戻ってしまう。

今回の事故の責任の一端を自分に置き換えようとする思想の試みは、日々の日常生活の流れの中では、なかなか自分の体に染みついていかないのが実情だった。頭では「自分のせい」だと思おうとしても、どこかで人ごとのような感じになってしまっている。具体的に何も行動をしていなかったからだと思う。

えらそうに東電や政治家の非難をするだけで、自分では何もしていない。寄付や義援金も預ける先の信頼性の問題であまり積極的には行っていなかった。そう、結局自分は何もしていないのだ。

日常の中で電気を消したりするだけでなく、自分の痛みを伴って「贅沢」を正していこう。生き方を変えていこう。そのためには自分の大事にしている物を見直そう。痛くも痒くもないことをやっても自分を変えることはできないはずだ。ギター、機材の処分を考えた。自分の大好きで大事にしている物を手放し、もう一度どうするべきかしっかり考えよう。「贅沢」をしないことは自分の「必要」のレベルをどれくらい下に持って行けるかだと思う。このギターの処分を最初のアクションとして自分に本当に必要なものを考え直し、今までの生き方考え方を変えていきたい。

今こそは人が変わらなければならないという。これも人様の受け売り。作家の池澤夏樹氏はこの事態を機会に人々に意識は変えていかなければならないと主張している。

だいぶ飛躍したロジックだし、かなりの自己満足。でもそれでも良い!だいぶ遅くなってしまったけれどこれは自分の一つの行動である。

ギター、機材、CD、買い取り金額は投資した分よりはかなり安いけれど、全部合わせればそこそこの高額。これは被害にあわれた方々に対する支援として使う。信頼できるこちらに義援金として送ろうと思っている。

My Life Is My Message

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コメント

素晴らしい志をありがとうございます。今後とも、ボク達を見守っていて下さい。

投稿: MY LIFE IS MY MESSAGE 中野 | 2011年12月29日 (木) 17時42分

>MY LIFE IS MY MESSAGE 中野さま

わざわざコメントありがとうございます。

昨日はお話しすることができてよかったです。


みなさまの活動には敬服するばかりです。最後まで応援し続けます。


一緒にがんばりましょう!


投稿: じろ | 2011年12月30日 (金) 00時46分

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