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2009年9月12日 (土)

ごめんなさい。怒らないでね。

定期健康診断で行った病院での出来事。

病院の狭い廊下。背もたれの無いソファーが壁づたいに向かい合わせで置いてある。僕がソファーに座ろうとした時、その向かい合わせのソファーそれぞれに爺さんが一人ずつ座っていました。

僕は左側のソファーに座り文庫本を読み始めました。向かい合わせのソファーに座っている爺さんAの挙動が明らかにおかしい。メモ帳のようなものに何か一生懸命書いている。僕の隣に座っている爺さんBの顔を見る、メモに目を落とし何か書く。また顔を見る。そして書く。


どうやら爺さんBの似顔絵を描いているようです。


どうも爺さんAの動きが気になってしょうがない。僕が本を読み始めて直ぐぐらいに爺さんBの似顔絵が書き終わったようで、爺さんAはおもむろに新しいメモを用意しだしました。


「あっ、こっちに来た!」今度は僕の顔を凝視している。僕は全くの無視。気付かぬ振りをし、本を読み続けるが気になって気になって文章が全く頭に入ってこない。爺さんAは、また顔を上げて見る、目を落として書く、の循環動作に入っている。


僕は文庫本を見るために目は下に向けている。自分のおでこの先の方でひっきりなしに動いている爺さんA。気になるけど見れない、顔を上げられない状態のまま、文庫本を広げ記号のままの文字の羅列をずっと見ていました。何となく、似顔絵を描いているのを僕が気付いていることを、爺さんAに気付かせてはいけないような気がしていました。


程なく僕の似顔絵は書き終わったようで、爺さんAは次なる「標的」を物色しているようでした。「○○さん、××番診察室にお入りください。」とのアナウンス。最初に似顔絵のモデルになっていた爺さんBが呼ばれました。爺さんAはあわててさっきの似顔絵を爺さんBの付き添いの婆さんに渡していました。

僕はさっき自分が書かれているときから、その似顔絵をものすごーく見たいと思っていました。「もしかしたら僕にもくれるのか?」との期待でなんだかドキドキしていました。

「△△さん、××番診察室にお入りください。」爺さんAが診察に呼ばれ席を立ちました。爺さんAはおもむろに僕に近づいてきて



「ごめんなさい。怒らないでね。」



とひとこと言って、さっきの似顔絵を僕にくれました。僕は思わず「ありがとうございます。」と言って立ち上がってしまいました。爺さんAは無表情のまま振返り診察室へと向かって歩いていきました。

Photo











なんだか落ちの無い話ではあるのですが、病院での出来事です。



ちなみにこの爺さんAの診察券が見えてしまいお名前が分かったので、家に帰ってこの名前でネット検索をしてみました。とある彫刻家の方がヒットしました。年のころもほぼ同じ。写真が無かったので正確な判別は出来ませんでしたが、もしかしたら爺さんAはこの彫刻家の方で、デッサンの練習でもされていたのかもしれません。




爺さんAが何か病気で苦しんだりしていないことを祈るばかりです。




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「揺れる1985 過去は過去のもの 手を延ばしてみる 夜明けに」

              ARB『AFTER '45』より

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コメント

こちらには初めてコメントいたします。
お兄様のところからリンクしてまいりました。

このイラストを見て「あっ」と声をあげそうになりました。
あちらにアップされているお兄様のお写真にそっくりです!!

お顔もそっくりな本当に仲の良いご兄弟だったんでしょうね・・・^^

投稿: naruto | 2009年9月20日 (日) 16時29分

>narutoさま
コメントありがとうございます!

子供のころからあまり似てると言われたことがないのですが、兄貴の友人や知人の方に始めとお会いすると、「やっぱり似てるねぇ」とよく言われます(^_^;)。

仲が良いかどうかは微妙な感じですね(笑)。

投稿: じろ | 2009年9月22日 (火) 12時15分

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